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粘液状ゲルから紡糸

mucus like gel  高分子水溶液にナノダイヤモンド分散液を注いだところ、一様に混ざらずに粘液状ゲルとなる現象が見つかりました。ピンセットでつまむとどろ~んと伸びます。感触は痰のようです。世の中では高強度のゲルの開発が盛んに進められていますが、その真逆です。適切に設計すればどんなナノ粒子でも痰状にできることが分かりました。納豆のように糸を引くので、これを乾かせばどんなナノ粒子でも糸にできます。実は粘液状ゲルが微小繊維の集合体としてゲル化していることから、階層構造を持つ糸となります。生体材料が押並べて階層構造を持つように、それによって生まれる機能も注目所です。
 ピンセットを使っていては長い糸はできないから、細管の中で連続的にゲルを作ればよいだろう。そうしたところ、打ってつけのものが(マイクロ)流体デバイスの名で近年目覚しく開発されてきていました。紡糸への利用はまだ萌芽状態ですが、既存の方法にはない魅力に溢れています。繊維径や断面形状の制御は勿論のこと、繊維方向にも断面方向にも組成を変化させられることから、これまでになかったような繊維を紡糸できるデバイスの開発を進めています。

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