有機化学基礎・有機化学2の成績2026/08/28(金)
前期の成績が確定しました。1年生配当の「有機化学基礎」と2年生配当の「有機化学2」の成績分布を公開します。前回はこちらです。
まず、1年生配当の有機化学基礎の成績分布です。
昨年まで合格率が3年連続で 83% だったのに、今年は 55%。ちょっと考えられないほどの急落です。今年からカリキュラムが変わりましたが、本講義の内容はほとんど変えてないし、試験問題のレベルもあまり変わっていません。ただ、少し「説明」の比重は多くなったかもしれず、あちこち減点されて合格点に届かなかった人が増えた、とは言えそうです。
「説明」で何を書けばよいのかわからない、という人もいるでしょう。でも、講義中に、「何がポイントなのか」は繰り返しお話ししているわけです。それをちゃんと聞いて、自分の解答に反映させないといけない。「記述式問題の模範解答を出して欲しい」という要望もいただいたのですが、そんなことを求めているようではダメだと思うんですよ。人の話を聞いて、その内容を理解して、自分の言葉で再現する、というのは、知的生産作業の基本じゃないですか?
話の要約なんて、ChatGPT に任せればいいんだ、とか思ってませんか? ネットワークが使えない状況に放り込まれたらどうするんですか? それに、生成AIの利用料金って高いんですよ? 社会人になったとき、同じ内容の話をまとめて理解するのに、自分の能力だけでできる人と、AI使わないとできない人と、どちらが大事な仕事を任せてもらえると思いますか? そういう仕事を任せてもらえる人になるために、大学に来てるんじゃないんですか?
次に、有機化学2の成績分布です。
こちらは逆に、去年の 50% から突然跳ね上がって 67% になりました。この結果については、私はあまり楽観はしていません。しっかり勉強してくれている人は確かにたくさんいたのですが、たまたまヤマが当たったんだろうな、と感じる人もいました。そういう人は、運がよければ60点台前半、悪ければ50点台後半、という印象です。「単位を取るゲーム」を攻略している感覚なんでしょうね。
どのように大学生活を過ごすかは、それぞれの人が自分で選べばよいことですが、私の思うところでは、大学で過ごす間に大事なのは、誠実・謙虚に「知の体系」と向き合うことだと思います。「知識」ではなくて「知」とあえて書きました。「知識」だけなら、「調べる」だけでもある程度手に入ります。でも、大学で行われる「知」の探求は、単なる知識の集合ではなくて、「それをどのように組み合わせて新しいものを生み出すか」という創造的行為そのものです。少ない労力でどれだけ単位をゲットできるか、というゲーム的なものとは全く対極にあるものです。安くない学費を払う対価として、何を自分が身につけられるか、よく考えて過ごしてほしいなと思います。
