有機化学2(演習)の授業アンケート2024/08/23(金)
大学教育開発センターによるアンケートの結果が集計されてきました。今回も解答率は低く、履修登録者79人に対して回答者11人、回答率14%でした。いただいたご意見への回答は大学に提出しますが、こちらにも書いておきます。
もっと授業内の演習を行いたい
演習問題の時間はとっていますが、その場で答え合わせまで済ませてほしい、ということでしょうか? 私としては、「正解をその場で聞いてわかったつもりになる」ことよりも。「持ち帰って自分で考える」ことを重視したいと思っています。答え合わせを次回に持ち越しているのは、「1週間考え続けてほしい」という私からのメッセージだと思ってください。
有機化学演習についてです。ほとんどやる気のない人が一部いて、事前課題すら手を付けてない人も居て、話を聞きたいのに余計なタスクが増えてしまいます。自分のわかっていないところをあとから理解できるように書き込みたいので、採点は自分で行う方式にしてほしいです。
はい、ご意見ありがとうございます。相互採点は、全員がある程度以上「自ら積極的に学ぶ意欲を持っている」ことが前提なのですが、有機演習はその要件を満たしてないことを改めて痛感しました。来年度はまたやり方を見直したいと思っています。少なくとも相互採点については、おっしゃる通りの弊害が大きいので、やめるつもりです。
実は有機演習はこれまで、「あまり積極的に学ぶ意欲がない」人でもそれなりに単位がとれていたのが実情でした。だから、あまり意欲のない人でも履修科目に入れていたのだと思います。今年は学習意欲のない人は「達成度テスト」でふるい落とされたため、合格率は25%程度まで急低下しました。来年度は、履修者がだいぶ減るのではないかなと思っています。
逆合成ドリルはすごい役立つけどもう少し詳しく解説してほしい
その解説を教科書や講義資料から見つけ出すのはみなさんの仕事であって、私の仕事ではありません。大学は「教えてもらう」場所ではなくて「自分で学ぶ」場所です。ただ、解答例に納得できないところがあるようなら、質問はいつでも歓迎します。
課題提出の際に評価が書き込まれる場所に何も書かれていませんでしたが、点数を意識した勉強一辺倒にさせないと先生の意思表明がありましたのでよしとします
実はこれは迷いがあって、提出用紙を作成したときは評価をフィードバックするつもりでいました。しかし、実際にみなさんのレポートを採点しながら「これはフィードバックを返さない方がいいな」と考えを変えました。最終的に達成度を評価するのは教員なのですが、途中段階で自分が何を達成できたかは、大学生としては自己評価できることが必要なのではないかと考えています。
繰り返しになりますが、大学は「自ら学ぶ」場所であり、かつ「自ら学ぶとはどういうことであるかを学ぶ」場所だと思うのです。そこに皆さんが到達できるように、教員として手助けをしていくつもりです。
(同日追記)大学への回答を書く時に、アンケート結果の中で「学生が積極的に取り組める工夫」のスコアが大きく下がっていることに気付いたので、それへの回答を以下のように書きました。
今回は、「学生が積極的に取り組める工夫」のスコアが大きく下がりました。小テストの実施をやめたことが最大の要因だと思います。「小テストで点を取るために勉強する」という傾向は昨年までのアンケートでもはっきり見られました。ただ、そもそも「点を取るために勉強する」というのは大学の学びにはそぐわないものです。学生の皆さんが大学に求めていること(得点を稼いで単位を取ること)と、教員が皆さんに到達してほしいこと(科目の内容を長期的に定着できる形で理解すること)が、ずれてしまっているのだと思います。この点については、教員から歩み寄るのではなく、学生の皆さんに「何に積極的に取り組むべきなのか」を適切に理解していただくことが必要だと考えます。来季以降、「大学の学びとは何か」についても、より力をいれて伝えていきたいと思います。