名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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英語民間試験導入への反対運動2019/09/11(水)

1年半後に迫った大学入試改革で、英語民間試験導入への反対の声が大きくなってきています。先日は、文部科学省前で反対集会が行われたそうです。高校生や大学生も発言されたとのことで、頼もしく感じました。

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ただ、「現政権にNOを突きつける」という政治的パフォーマンスの雰囲気があることには、若干の危惧を感じています。もちろん、文部科学省前での抗議行動の直接の引き金は、柴山文部科学大臣の発言だったわけですから、やむをえない面はあります。しかし、政治的な対立構図に持ち込んでしまうと逆に問題点がぼやけてしまいます。注意深く進めていただきたいところです。

今回の制度「改革」の問題点については、英語教育の専門の方々がすでに議論されている通りです。そもそも「英語の『四技能』をなぜ大学の共通入試で重視する必要があるのか」という根本的な議論が不十分です。もちろん、特定の学部学科が、入学者選抜の方針として「うちはスピーキングテストを重視します」と宣言するのは構わないし、推奨されるべきことでもあるでしょう。でも、「共通テスト」でそれは必要ない。大学入学後の知的鍛錬のベースとして共通に必要なのは、あくまでも「読み・書き」の能力です。

これから、各大学で、英語民間試験の取り扱いに関する方針が公開されていくでしょう(文部科学省から催促されているみたいです)。これは個人的な想像ですが、多くの大学で、結果的に「従来の選抜方式と大きくは変わらない」方針が選択されると予想しています。教育機関の変化は、できるだけ「連続的」でないといけないのです。急激な変化は非常にリスクが大きい。なぜなら、「人」が相手であるだけに、失敗が許されないからです。教育制度をいじりたがる人には、しばしばこの視点が決定的に欠けています。

1年半後に大学受験を控えているみなさん。入試制度が変わっても、大学がみなさんに期待している能力は変わりません。今の受験生が目指しているものと、基本的には「同じもの」を目指していれば、結果はついてくるはずです。やるべきことを着実にこなしていってください。もちろん、声を上げる機会があれば、自分の意見をぜひ表明してください。それは、物事を深く考えるトレーニングにもなるはずです。

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