名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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実験台に簡易フードを作成2019/06/07(金)

実験台に簡易フードをつけました。

実験室立ち上げの時に、当然ドラフトチャンバーは学科共有設備として整備していただいております。本来は、すべての実験をドラフトチャンバー内で行うのが望ましいのですが、研究室メンバーが増えてくると、そういうわけにもいきません。実際問題として、多くの作業をドラフトチャンバー外の実験台で行うことになります。有機溶媒を日常的に使う実験室として、これはどうなのか、とずっと頭を痛めていました。そして、昨年ついに、定期作業環境測定で引っかかって、大学から対応を命じられたという次第です。特別に予算をつけてくれるわけではないので、自力でなんとかせいと。まあそりゃそうですよね。

とはいっても、本格的なフードを設置するとなると、研究室予算の数年分が一気に飛んでしまいます。ここは頭と手を動かすしかありません。ヒントになったのは、アズワンのカタログに出ていた「アルミフレーム式装置カバー」です。

アルミフレームというものの存在を初めて認識しました。価格もまずまず手頃だし、既存の実験台に合わせてサイズを調節できるし、いけるんじゃないか。アルミフレームで骨格を作って、そこに塩ビのシートを張って、ファンで排気して活性炭に通せばいいじゃない、という発想です。性能は知らんけど、何もないよりマシだろう。

そういうわけで、頑張って設計図を書きました(細かいところのツッコミはご勘弁ください)。実験台が2つあって、サイズが少し違うので、これと同じようなものがもう1セットあります。

部材を購入して、研究室メンバーに手伝ってもらって、実働4日ぐらいで製作しました。みんなありがとう。製作中の写真とっとけばよかったな。

アルミフレームの骨格は、こんな感じです。四角く組んだだけでは強度が不足していたので、斜めの補強フレームを入れました。左下についているステンレスの板は、磁石でシートを留めておくためのものです。フレームにシートを固定するには、アルミフレーム関連部品である「シート押さえ」を使っています。本当はロールスクリーンみたいに上げ下げできるといいのですが、それはちょっと実現できませんでした。

こんな風にシートをめくり上げて、磁石で仮止めして使います。使い勝手は…微妙ですかねぇ…

フレームの上には、ファンユニットに活性炭フィルタをつけたものを設置しています。ドラフトチャンバーほど強く吸うわけではありませんが、一応空気を吸い込んではいます(当たり前だけど)。

かかった経費は、実験台2面分で約 50 万円でした。半分ぐらいがファンユニット関連、残りがアルミフレーム関連です。現状ではこれぐらいが精一杯です。すごくいい実験環境、と胸を張れるほどではありませんが、しばらくはこれで運用してみようと思います。

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