名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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アズワンの新カタログ2019/01/09(水)

実験室で使う消耗品の型番を調べるために、アズワンのカタログを開きました。今年からえらく分厚くなったな、と思っていろいろめくっていたら、「開発・試作支援」と「レンタル」という項目が目を引きました。「開発支援」のところには、Arduino とか Raspberry Pi とか、ロボット制作キットとか、これまでのアズワンのカタログとは全く毛色の違う商品が並べられています。ナス型フラスコやビュレットなどと同じカタログに、電子工作系の商品が載るようになったとは、時代の流れを感じます。

たとえばこういう商品が載っています。「分注作業の自動化に!」なんて宣伝文句がついてます。分注の自動化には、3軸じゃ足りないけどね。ピペットのプランジャを押す動作が必要だから。

化学系の実験室も、積極的にこういうラボオートメーションを取り入れていく必要があると思います。近い将来に人手不足が深刻な問題になることは明らかですから。少し古い世代の人は「化学実験は人海戦術でやるのが当たり前」と思い込んでいるフシがありますが、それはちょっとまずい。

といっても、化学実験に対する適性と、ロボット制作に対する適性を兼ね備えている人は、なかなかいません。そもそも、一人の人が両方に取り組んだのでは、虻蜂取らずになってしまう可能性が高い。むしろ、それぞれの適性を持った複数の人が協力して、何か一つのテーマに取り組む方が、効果的でしょう。現代社会では、そういうことができる人が求められているのだと思います。

しかし、今の大学で、学生にそういう経験を積ませることは簡単ではありません。これは、前回書いた同志社大学の「リーダー養成プログラム」と似たような問題になります。学科や学部の枠を超えて、学生が自由に共同研究できて、教員がそれをサポートできる体制があればよいのですが、なかなかそこまでの余裕を持てていないのが現状です。

難しい問題ですが、なんとか打開するアイデアを出していかないといけないな、と思っています。私立大学といえども、教育機関として国の将来を預かっているわけですからね。

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