卓上 NMR の活用:教育年報に寄稿しました2018/05/28(月)
名城大学教育年報 2018年3月号に、「有機化学学生実験における卓上型核磁気共鳴装置の活用」という記事を書きました。応用化学実験2・3の担当教員(永田、藤田、田中、才田)の連名です。
応化実験2・3では、60 MHz の卓上型 NMR 装置を使っています。Oxford Instruments 社の Pulsar です。
磁場ロックの機構がないので、分解能は頑張っても 1 Hz 程度です。それでも、下のスペクトルを見ればわかる通り、けっこう使えます。学生実験はもとより、卒業研究レベルでも使い道はあります。研究室のすぐ近くに装置があるのはありがたい。(特に、うちの研究室は一番近いのです。)
いつでも美しい純物質のスペクトルが得られるわけではありません。こんな風に混合物であることが発覚する場合もあります(上とは別の実験だよ)。ここからどういう結論を導き出すかが力を問われるところです。詳しくは上記記事を見てください。
ちなみに、上の教育年報の pdf の所在を探すのにえらい苦労しました。私は最初から「存在する」ことを知っていたので何とかたどり着きましたけど、カジュアルに本学のサイトを見ている人がたどり着くのはちょっと無理だと思います。今年の5月に大学のウェブサイトがリニューアルされて、メインターゲットである受験生・受験生のご父兄・進路指導の先生方には見やすいサイトになりました。ただ、大学というのは、「求められる情報を提供する」だけではいけないと思うんですよね。来た人が「そんな活動をしているとは思いもよらなかった」というような情報も提供していかないといけない。そういう意味では、高校生の人からは普段は見えにくい活動にも、誘導していけるような工夫が必要かなと思います。(スマホで見ている人が多いので、なかなか難しいんですけどね。)