名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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ブログ「天白で有機化学やってます。」 ブログ「天白で有機化学やってます。」
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センター試験にムーミン2018/01/15(月)

大学入試センター試験の地理で「ムーミン」が出題されたと話題になっています。昨日の中日新聞から引用。

これを見ると、そんなに変な問題ではないですね。スウェーデン・フィンランド・ノルウェーについての情報を絵で示して、一番上のものがスウェーデンであると誘導した上で、タ・チ、A・Bのどちらがフィンランドかを問うているもの。フィンランドに関心があれば一目でわかりますが、特別な知識がなくても、アニメの方は「バイキング」がノルウェーだとわかるし、言語の方は明らかにスウェーデンに近い方がノルウェーとわかります。しかしまあ、「特別な知識があったら有利」になるのは確かなので、試験問題としてはあまり好ましくはないとは思いますが。

2018/01/23 追記: その後、ムーミンの舞台はフィンランドではないとか、「小さなバイキングビッケ」の原作者はスウェーデンの人だとか、むしろ「特別な知識があると邪魔になる」ことも明らかになってきました。やはり、試験問題としては良問とは言えませんね。

ところで、この設問が「ノルウェーはどちらか」だったら、もっと簡単だったでしょう。「二択なんだからどちらでも同じじゃん」と思う人は、試験には制限時間がある、という当たり前のことを見落としています。この問題を見た時に、「ノルウェーじゃない方を選べばいい」という判断に「一瞬で」到達する人と、「少し時間が」かかる人がいて、その差の積み重ねが得点の差になるわけです。

こういうのは、ある意味「受験テクニック」だと言えます。だけども、実社会でも「選択肢が2つしかないから、一方がダメだったらもう一つを選ぶしかないよね」という場面で、その結論が出せずにグダグダしている人っているじゃないですか。「受験テクニック」だと馬鹿にしないで、「考え方のトレーニング」だと思って、地道にやればいいんですよ。「受験勉強が将来何の役に立つかわからない」と悩んでいる受験生には、「ものの考え方を訓練することは、生きる力を高めることにつながるんだよ」と答えてあげたいと思います。

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