「たった1日で声まで良くなる話し方の教科書」(魚住りえ著/東洋経済新報社)2017/08/07(月)
話し方って、大事ですよね。人同士でコミュニケーションをとる手段として、一番よく使われて、しかも効果的なのは、対面で話をすることです。このときに、相手によい印象を持ってもらうことができれば、コミュニケーションは格段にスムーズになります。
この本、「たった1日で声まで良くなる話し方の教科書」の著者、魚住りえさんはアナウンサーです。その経験を元にして、「伝わりやすい声の出し方」を具体的に教えてくれます。声だけではなくて、抑揚のつけ方や、間の取り方などにも触れられていますし、「上体を動かさない」などの姿勢の話もあります。「具体的に」というと、ちょっと言い過ぎかな。というのも、「声」や「間」、「姿勢」などは、書かれた文章だけで伝えることが非常に難しいものです。本書にも、いきなり最初の方に「いいコーチにつくことが大切です」と書いてあって、それならこの本はなんなんだよ、とツッコミを入れたくなるところでもあります。まあ、そうは言っても、その難しい内容をなんとか文章で伝えようと、いろいろ工夫をこらしてはあります。個人でスピーチトレーナーをつけることができる人は限られていますので、それ以外の「普通の人」にとってはありがたい書籍と言えるのではないでしょうか。
「伝わりやすい話し方」というと、アナウンサーや政治家、それから教員(!)のように、多数の人の前で話すことをイメージするかもしれません。けれども、普通に1対1で話す場合でも、声が(適度に)大きくて聞き取りやすければ、会話がスムーズに進みやすくなります。同じ内容を話していても、内容が相手によく伝わっている場合とあまり伝わっていない場合では、情報発信の能力が大きく違ってきます。話し方の技術が高まれば、自分を認めてもらえるチャンスもそれだけ大きくなるわけです。人との会話がどうも苦手だな、と思っている人は、この本で声の出し方を少し練習してみませんか。少し自信が持てるようになるかもしれませんよ。