フタロシアニン・キノン光化学の論文出ました2017/04/28(金)
ちょっと昔の仕事なのですが、フタロシアニン光増感によるキノンの光還元の論文を書きました。Photochem. Photobiol. Sci. 2017, accepted manuscript, DOI: 10.1039/C7PP00115K です。
今気づいたけど、Table of Contents の英文まちがっとるやん。"Quinones were..." でしょ。校正で直さなあかんな。RSC の編集部が気づいて修正してくれるかもしれないけど。
実はこのテーマは、「単分子キノンプール」の研究のベースになっているものなので、本当はもっと早く単独の論文として出しておかないといけなかったものなのです。でも、正直なところ、「色素増感によるキノンの光還元」だけで論文として成立するのかがなかなか自信が持てず、結局「単分子キノンプール」と抱き合わせで論文発表する、という手をとってしまっていました。
今回はフタロシアニンを使ったということで、「長波長の光で化学反応を駆動できる」というところを売り文句にできました。また、三重項のダイナミクスをちゃんと測定できたので、速度論を定量的に論じることができたのも良かったと思います。光反応の初速度だけで議論するのは辛いですから。レビュアーが何を言ってくるかどきどきしていましたが、何とノーコメントで通りました。
今の学生たちの活動をちゃんとサポートするためにも、研究現場に居続けないといけません。学会には何とか出ていますが、やっぱり論文を書かないとね。細切れの時間をかき集めて頑張ります。