動き回るダイヤフラムポンプ2015/02/10(火)
有機化学の実験室では、吸引ろ過や軽い減圧乾燥のために、小型のダイヤフラムポンプをよく使います。昔は水流ポンプ(アスピレーター)を使っていましたが、有機溶媒を吸引すると気化した溶媒が排水に混じって出て行ってしまうため、今では使わなくなりました。私がちょうど大学教員に採用された頃に、全国の大学の化学系学科で一斉に切替が始まったと記憶しています。
うちで使っているのは、アルバック機工のDA-15Dです。構造が簡単でメンテナンスしやすく、価格も手頃なので、ドラフトチャンバー一面ごとに一台設置しています。学生実験室でも使っています。

使い勝手のよいポンプなのですが、欠点が一つあります。軽量であるため、作動させると振動で実験台上を動き回るのです。上の写真では、動き回らないように、ユニットスタンドの連結台で押さえてありますが、いつもこのように置けるとも限らない。
本体の振動を吸収してやればいいはずです。しかし、よくあるタイプの制震ゴム(黒いゴムの表裏に縦横の溝が切ってあるもの)では動き回るのを止められませんでした。もう少し粘りのあるものを、ということで、これを買ってみました。

素材は何だかわかりません。弾力のあるポリマーのようです。グミみたいな感じ。表面は、触るとべたつく程度の粘着性があります。これを両面テープで DA-15D の足に貼り付けて、ドラフトの床面にくっつけてみました。運転させても動き回ることはなく、なかなかいい感じです。床面が濡れたり有機溶剤をこぼしたりした時にどうなるかがまだ心配ですが、とりあえずこれで運用しようと思います。