化学英語1012014/07/17(木)
「化学英語101」(國安均著、化学同人)という本を買いました。CD付きです。
「リスニングとスピーキングで効率的に学ぶ」と副題にある通り、化学英語の発音とリスニングを実践的にトレーニングするためのテキストです。発音の基本、化学の基本単語、基本構文、教科書の英文、論文や記事、英作文、院入試問題という構成になっており、なかなか盛りだくさんです。
付属CDは第4章(教科書の英文)までの内容を音声化したものが収められています。特に、母音・子音の発音から始まっているのは良いと思います。実際問題、母音・子音の発音は完璧でなくてもまあまあ通じるものですが(「エイ」を「ア」と読んだりするのはダメだけど)、なるべく正しい音を知っておくに越したことはない。
CDの使い方としては、「オーバーラッピング」と「シャドウイング」が推奨されています。「オーバーラッピング」はテキストを見ながらCDの音声に合わせて発音するやり方、「シャドウイング」はテキストを見ずに、聞いた音を0.5秒ぐらい遅れて追いかけて発音するやり方だそうです。しかし、実際やってみると、CDの音声と自分の発音が重なるため、自分がちゃんと発音できているのかどうか、正直言ってよくわかりません。ラジオ講座でよくあるように、音声を聞いて、そのあとすぐにリピートする方が、なじみやすい気がします。もっとも、英語教育を専門にする方は「オーバーラッピング」「シャドウイング」をよく勧めておられますので、専門的に見ればこれが良いという根拠がきっとあるんでしょう。
内容は、かなり有機合成化学に寄っています。著者の國安先生のご専門が有機金属化学ですし、このテキストを利用されている阪大のゼミナールもそういう内容を目指しておられるのでしょう。物理化学系が多いうちの学科にはあまり合わないのが残念です。もっとも、研究室内か有志のゼミなら活用できそうです。化学英語の入門テキストで音声付きのものは少ないので、うまく使いたいと思います。