空間充填モデル2014/06/05(木)
先日の講義の時に、ベンゼン環のオルト位にあるメチル基の立体障害について話をしていたら、学生さんから「どの原子とどの原子が近いのかイメージしにくい」という声が上がりました。確かに、構造式で見ててもよくわかりませんね。
ニトロ基とメチル基がぶつかるので、ニトロ基が垂直に立つ、という話。
こういうときは、やはり分子模型の出番です。昔から "CPK model" というのがありまして、各原子の van der Waals(ファン=デル=ワールス)半径を正確に再現できるように作られています。伝統ある有機化学の研究室なら、教授室に1セット備えてあるはずです。大変高価なので、ステータスシンボルとしても有用です(たぶん)。うちにはありませんので、写真は無し。
今回使ったのは、またしても丸善・日ノ本合成樹脂の「HGS実体分子構造模型」です。HGSにこのシリーズがあるのを知らない人も多いんじゃないでしょうか。応用化学科の小澤先生が購入されたもので、学生実験室に置いてあります。上の化合物のモデルはこんな風になります。一部の原子が透明なので、原子の結合が同時に見られるのが、なかなか結構です。
このモデルも正直そう安くはないので、作れる分子の数・種類は限られてきます。実体モデルである程度イメージができるようになったら、コンピュータを使ったグラフィック表示で見るのが便利です。Molby でやってみましょうか。(データはこちら)
なんかおかしいな…水素原子が小さすぎますね。すみません、プログラムの修正が必要でした。次のバージョンの公開の時には直っているはずです。