名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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ブログ「天白で有機化学やってます。」 ブログ「天白で有機化学やってます。」
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HPLCの配管2014/05/15(木)

当研究室の分析装置の一つにHPLC(高速液体クロマトグラフィー)があります。触媒反応の生成物解析とか、合成した化合物の純度測定に使っています。

HPLCは、液体を使って分析用のカラムに試料を流し、カラムとの親和性の違いによって物質を分離して定量する仕組みになっています。従って、装置には溶媒容器・ポンプ・カラム・検出器があって、液体を導く配管によってこれらを接続してあります。今回はその配管の話。

最初は、水系の溶媒(20 mM 硫酸とか)で分析するつもりで装置を組み立てました。配管として、酸・アルカリに強く、配管作業も簡単な PEEK 樹脂(「ピーク」=ポリエーテルエーテルケトン)のチューブを使っていました。その後、クロロホルム溶媒で分析をする必要が出てきたので、溶媒を入れ替えたところ、PEEK チューブに穴があいてしまいました。

今までにも PEEK チューブにクロロホルムを流したことはあったので、最初は溶媒の入れ替え作業中に誤って何かではさんでしまったのかな、と思っていたのですが、チューブを替えてもやはり穴があくので、どうやら溶媒にやられているらしい。穴のあく場所が、分析カラムを 40 ℃に保つオーブンの中に集中しているので、「高温+加圧+クロロホルム」の条件に耐えられないことがわかりました。水系と共用するので内径が太めのチューブ(つまり肉が薄い)を使っていたのもいけなかったようです。

テフロン系だったら大丈夫だろう、と PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のチューブに交換してみましたが、圧がかかるところから漏れてしまってダメでした。今は、耐圧性の高い ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)のチューブに交換して様子を見ています。まあ最終的には SUS 配管が無難かな。

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