ナノカーボン研究センター報告会2013/11/29(金)
昨日、ナノカーボン研究センターの中間報告会がありました。この研究センターは名城大学の学内組織で、異なる学部・学科に所属する研究室が連携して、カーボンナノチューブをはじめとする各種ナノカーボンの研究を進めているものです。今回の報告会では、材料機能工学科の安藤先生、応用化学科の坂東先生、電気電子工学科の平松先生がそれぞれの研究について紹介されました。
安藤先生は、飯島先生(理工学研究科)とともにカーボンナノチューブを世界で初めて発見されたパイオニアです。当時使われた装置は今でも現役で動いているそうです。今回のご講演では、SWNT(単層カーボンナノチューブ)の新しい合成法を紹介されました。触媒組成を変えると収率が大きく向上するそうです。どうしてその金属を入れようという発想に至ったんだろう、と興味がありましたが、質問しそびれてしまいました。
坂東先生は、CVD(化学気相成長法)によるグラフェンの合成と、それを使ったヘテロ元素ドープグラフェンについて報告されました。導入としてグラファイトの話をされたのですが、グラファイトの薄いシートが磁石で反発されて浮いている動画を紹介して「グラファイトの強い反磁性効果でこうなります」と説明された時に、「あーそうだったのか!」と心の中で声を上げてしまいました。オープンキャンパスの時に坂東研がデモで紹介していたんですけど、実は私はどうして浮くのかわからなかったんです。これは有機化学の講義でも使えるな。
平松先生のお話は、プラズマを使ったカーボンナノウォール(基板から垂直方向に成長したグラフェンシート)の紹介が中心でした。最後の方に応用として電気化学センサーの話が出てきて、「おー」と思いました。うちでやろうとしている電気化学にも、どこかで使えるかも。
非常におもしろい講演会でした。参加した卒研生は「ぜんぜんわかりませんでした」と言ってたけど、まあ4年生ならそんなもんですよ。大学院修士を出るころにようやく何となくわかるようになる、ってところじゃないかな。それまで頑張って勉強しなくちゃね。