名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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後期講義始まりました2013/09/30(月)

有機化学1の講義が始まりました。1年生後期と2年生前期の1年間で有機化学を終える、という超過密スケジュールですが、受講生のみなさんは頑張ってついてきてください。大学の勉強は「何を学ぶかを自分で決める」というのが大原則なのですが、有機化学では「学部レベルで知っておくべき内容」がだいたい決まっています。具体的には、標準的な教科書を一つ用意して、そこに書いてあることを全部理解して身につければOK、ということになります。

私の担当する有機化学の講義では、教科書としてブルースの「有機化学概説」または「有機化学上・下」を指定しています。化学科の学生としてはできれば「上・下」で勉強しておきたいところですが、固体化学や表面化学で勝負するつもりだけど有機化学も少しは知っておきたい、という人なら「概説」でもいいかなと思います。

実はブルースの教科書は、結構生化学方面に力が入っています。本学科は材料系への指向が強いので、ちょっとミスマッチではあります。ただ、そういう意味ではどの教科書をとっても一長一短で、学科のニーズに完璧にマッチする本はなかなか見つかりません(自分で書けって?そりゃごもっともですが…)。

ブルースを選択したのは、文章のタッチが柔らかめで読みやすいと感じたのと、反応機構別の構成になっているためです。有機化学の教科書は「脂肪族炭化水素、アルコール、ハロゲン化アルキル、芳香族、カルボニル化合物、…」と化合物別の構成になっていることが多いのですが、私は反応機構別の構成の方が好みです。その方が、有機化学の面白さがよりよく伝わるんじゃないかなと思っています。

「有機化学 勉強法」などのキーワードでここに来る人がときどきいますが、勉強は正攻法しかありません。とにかく教科書を通読して、問題を片っ端から自分の手で解くことです。インターネット検索で答えを探してちゃダメだよ。問題を解く時に、「この問題を解くためのヒントは教科書のどこに書いてあるのか」を自分で探し出す、その過程に意味があるんですから。教科書の設問の答えをネット検索で見つけるなんて、運動選手が「筋トレを他人にかわりにやってもらう」のと同じぐらい無意味です。何のために大学に来てるのかと思う。他人のレポートを丸写しするのも同様。

それと、「手を動かす」ことも大事です。教科書を読んだだけでは、その時にはわかったつもりになっていても、いざ何か問題を解こうとすると、自分の頭に何も残っていないことに愕然とするはずです。ノートと筆記具を机の上に出して、ちゃんと手を動かして問題を解いてください。どんなにインターネットが発達しようが、スマホやらタブレットやらのデジタルガジェットが進歩しようが、人間が物事を学習する仕組みは生物学的にほとんど変わってないわけですから、昔ながらのやり方が一番確実なんです。

そういうわけで、受講生のみなさんは1年間「ごりごりと」おつきあいください。

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