名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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日本化学会第106春季年会2026/03/20(金)

日本化学会の第106春季年会に行ってきました。会場は日本大学理工学部船橋キャンパスです。日本化学会の春季年会は、基本的には「関東・関東・関西」の順で担当されていて、以前はわりといろいろな大学で開催されていたのですが、関東地区は最近「日大船橋キャンパス」か「東京理科大野田キャンパス」の二択になってきていますね。会場を提供していただける大学が少なくなってきているのかもしれません。

今回は、1日目が卒業式と重なったため、2日目からの参加です。ここのところ毎回回っていた「カーボンニュートラル」関連のシンポジウムは、今年は1日目にしかなかったため、別のところを回ってきました。

光化学関係のシンポジウムは、「あーこういうことやりたい(やりたかった)んだよなあ」という発表がいくつかありました。しかし、よく話を聞いてみると、「9年かかりました」とか話されていて、なかなか成果が上がらなくても諦めないことが大事だ、ということがよくわかりました。ただ、別のシンポジウムで、「再現性が出ないので学生のやる気が上がらず、方針転換した」というようなお話もありましたので、やはりそこはバランスをとっていかないといけません。

面白かったのは、3/19午前の「水の科学と技術が開く持続可能な未来」というシンポジウムでした。自分の専門とはかけ離れた内容だったのですが、思いのほか興味深い話がいろいろありました。トヨタ自動車の陶山博司氏のご講演で、トヨタのハイブリッド車はずっとニッケル水素電池が主流だった、とさらっと紹介されていて、ああそうだったんだ、と認識を新たにしました。確かに、初代プリウスの頃は、リチウムイオン電池よりもニッケル水素電池の方が製品化に近いところにあったのでしょう。ご講演の主題はピロリン酸カリウムの濃厚水溶液を電解質として使う、という話で、学術的にも非常に面白かったです。動作中に pH が変動すると思うんだけど、ピロリン酸が加水分解や縮合を起こしてオルトリン酸やトリリン酸ができたりしないのかな、と思いました。31P NMR を測定したらわかりそうですが、どうなのでしょうか(質問するチャンスがなかった)。

あと、最近ペロブスカイト太陽電池が話題なので、「次世代太陽電池の基盤技術と実用化」というシンポジウムも覗いてきました。コストと耐久性が課題だ、というのは認識していたのですが、第一人者の宮坂先生(桐蔭横浜大)が「ペロブスカイト材料よりも、透明電極・封止剤など周辺要素のコストが高い」とお話しされていたのは印象的でした。また「化学と物理の両方がわかる人がこれから必要になる」というお話もあって、うちの学科(4月から「化学・物質学科」になります!)がドンピシャやん、とも思いました。司会者から「若い人に何を伝えたいですか」と問われて、宮坂先生が「電池って、発電って、おもしろいな、と思ってほしい、わたしたち教員がそういうメッセージを送っていきたい」と答えられたのは、さすがでした。宮坂先生は、研究の話をするとき楽しそうですもんね。

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