名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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自分の講義を録画する2018/09/27(木)

後期の授業が始まりました。教育改善の方策をいろいろ模索していますが、その一つが「自分の講義を録画して、受講者に配信する」というものです。有機化学1の講義で、試験運用しています。

動画配信、というとなにやら今風でカッコ良さげですが、そんな立派なものではありません。機材にあまりコストをかけられないし、何より人手がありません。撮影専用のスタッフを置くなんてぜいたくなことはできませんので、なんとか自分一人でできる方法を編み出す必要があります。

いろいろ考えて、問題点を2点にしぼりました。1つは、音声をどう記録するか。もう1つは、画面をどう記録するか。動画なんですからこの2つがポイントになるのは当然なのですが、講義の記録の場合、それぞれに独自の問題があります。

まず、音声です。講義中にはどうしても教卓付近を歩き回ることになります(人によっては教室じゅうを歩き回るスタイルもありますが、私はそれはやっていません)。固定マイクや有線マイクでは不自由です。そこで、無線マイクを検討したのですが、レシーバーがどうしてもかさばります。毎週講義室まで自分で運ぶことを考えると、あまり大きなものは避けたい。コンパクトな製品もあるのですが、電池の稼働時間や充電の運用に不安が残りました。

結局、ボイスレコーダーにピンマイクをつけて、音声だけを録ることにしました。パナソニックの RR-XS470 と、ソニーの ECM-C10 です。音声と動画を別録りにしておけば、万一どちらかがこけても、保険をかけられるメリットもあります。なお、ピンマイクは必須です。ボイスレコーダーをポケットに入れて録音したのでは、服の擦れる音が邪魔になります。

次は録画です。最初に考えたのは、Keynote(Mac 用のプレゼンテーションソフトウェア)の「記録」機能で、動画として書き出す方法です。しかし、板書を使った時に、その情報を提供する手段がないことが問題です。私はあまり板書を使いませんが、やはり説明の補助として必要なことはあるので、一応板書の情報も含めた上で記録したいところです。

そこで、以前にも使ったことがある、カメラ画像を合成できるソフト CamTwist を使ってみました。これを使うと、スクリーンと外部カメラの画像を合成することができます。

この角度で板書が読めるか、というと、ちょっと苦しいですね。黒板の真正面にカメラを置いて大写しにしたほうが見やすくなります。板書を頻繁に使うならそっちでしょう。私は、板書は1回の講義で2〜3回使うかどうか、という頻度なので、黒板だけでなく演者の様子も写る、こちらの角度を採用しました。演者の様子を写すのは、「話を聞いて欲しいのか、スクリーンを見て欲しいのか」というのが演者の仕草でわかるようにするためです。

カメラは、ロジクールの C920 をミニ三脚に立てて使っています。黒板に向かって左端の最前列の机の上に置いています。

困ったのは、スクリーンを指すポインタが録画画像に反映されないことです。この問題は、まだ解決していません。「プレゼンテーションポインタ」という、スクリーンにポインタの画像を合成して表示するツールがありますが、採用には至りませんでした。コクヨ製のものは Mac のサポートが切れているし、サンワサプライ製のものは外部ディスプレイにポインタが映りません。ロジクール製のものは、画面一部を強調するには向いていますが、特定の1点を指すのに向いてないので、自分の講義では使えないと思っています。ここはメーカーさんになんとか頑張って欲しいところです。

試験配信してみたところ、受講者70数名のところ、再生回数は30回程度、視聴者数では10人に満たないようです。えらい手間がかかる割に、あまり利用されてないようにも思います。続ける価値があるかどうか微妙ですが、とりあえずしばらくは続けてみます。

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