JSmol を使った分子の三次元表示2016/07/26(火)
有機化学を学ぶとき、多くの人が手こずるのが、紙に書かれた分子を三次元でイメージすることです。十分に有機化学に慣れた人なら、透視式を見ただけでだいたいの構造がイメージできるのですが、初学者はそうはいきません。三次元の図を表示したとしても、どの部分が手前で、どの部分が奥か、なかなかわかりませんよね。
メタンぐらいだったらわかりやすいんだけどね…
ウェブサイトで分子の三次元図を表示して、それをマウスなどの操作で回転させることができれば、もう少しイメージしやすくなるかも知れません。そういうことを実現するソフトウェアパッケージ JSmol というのがある、と聞いて、ちょっと頑張ってみました。
図をクリックすると、JSmol パッケージを読みこんで、分子が三次元表示されます(少し時間がかかります)。マウスやスワイプの操作で分子を回転できます。また、"spin ON" のボタンを押せば、ゆっくり自動的に回転します。"spacefill ON" のボタンを押すと、原子の van der Waals 半径を反映した表示になります。Space filling 表示(空間充填表示)は、見慣れておいた方がいいですよ。分子式で見た時のイメージよりも、はるかに原子同士は密着していることを感じ取れると思います。
JSmol は、もともと Jmol というソフトウェアから派生したものです。Jmol の方が性能は高いのですが、Java というプログラム言語を使っており、これが問題を起こすことが少なくありません(スマートフォンへの対応が難しい、など)。JSmol は Javascript で書かれています(Java と Javascript は名前は似ていますが、全く別物です)。
インタラクティブな分子モデルの表示ができるようになったので、これから本サイトで活用して行こうと思います。ぜひ、分子の三次元の姿に親しんで下さい。