名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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大学入試改革2015/01/08(木)

昨年の末に、中央教育審議会が「大学入試改革」について答申した、という報道が新聞等でありました。これはもちろん私たち大学人にとってたいへん重要なニュースです。どういう答申だったのか、とりあえず原文にあたってみました。文部科学省のウェブサイトの「審議会情報」のところにあります。「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(中教審第177号)」です。この長いタイトルからわかるように、この答申は単に大学入試制度だけではなく、高校教育も含めて「高大接続」(高校と大学の教育をいかに円滑に接続するか)について述べたものです。

答申を読むと、相当の時間をかけて議論されたことがよくわかります。高校・大学教育に関心のある人なら、「その通り」とうなずく部分が多いでしょう。特に、大学教育について改善すべき点がいろいろ指摘されていることについては、「まったくおっしゃる通り、目下鋭意改善に向けて努力しております」と回答をするほかありません(ありがちな模範回答だけど、努力しているのはホントだよ)。一方、高校の教育がどのように変わることが求められているのかは、今ひとつ具体的には読み取れません。「達成度テスト」を行う、というところがやたらと目につきますが、「このテストでいい点をとること」が高校教育の目標になってしまってはいけませんよね? うーん、だから大学個別の入試では、「達成度テストでは測りきれない」部分について評価しろという話なのか。そりゃえらい難しいこっちゃな…

うちの一般入試だと、定員の20〜30倍ぐらいの受験者があって、定員の10倍ぐらい合格者を出して、その大部分が他の大学に行ってしまう(悲)というのが現状です。この状況で、応募者全員から面接とか集団討論とかで選抜するのはいくらなんでも無理があります。小論文で選抜してから面接とか? うーんどうなるんだろう。もちろんこれはうちの大学に限ったことではないので、もう少し大きな枠組みでの議論がこれから行われて、その結果を見て各大学が個別に対応することになるんでしょう。

いい学生に来てもらって、それに見合った教育をして、優れた人材として社会に送り出したい、という意思は強く持っているのですが、これから技術的な問題が山ほど出てきそうな感じです。制度上の過渡期なんだから、仕方がないですね。

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