研究紹介

都竹研究室では、「地上デジタル放送」「長波JJY」「精密周波数源」「地震予知」の4つの分野で研究を行っています。

地上デジタル放送

デジタル放送受信機の性能比較

  • 新幹線や電車が走行する際に、地上デジタル放送波を遮ってしまうことで、受信機で受信される放送波の振幅や位相が変化して、ブロックノイズが発生するなどの受信障害が発生する可能性があります。そこで、受信波の振幅や位相の急激な変化が、受信機にどのような影響があるかを、室内実験により検討しています。

新幹線が地上デジタル放送に与える影響

  • 新幹線の沿線において、地上デジタル放送波が、新幹線が通過する時に遮られることで、受信障害が発生してしまいます。そのため、受信障害エリアを正確に求め、対策を講じる必要があります。私たちは、障害エリアの推定に、電波伝搬シミュレーションソフトを用いて、研究を行っています。

長波JJY

長波JJYの伝搬特性に関する研究

  • 標準電波JJYは電波時計の時刻校正に利用されており、佐賀県と福岡県の県境に位置するはがね山と福島県のおおたかどや山の2つの場所からそれぞれ送信されています。
    名城大学のある名古屋市は、九州局と福島局の両送信所から距離が遠く、電波が弱い為、屋内や地下では標準電波を正しく受信できない場合があります。
    そこで三軸ループアンテナを用いてJJYの長期測定を行い、電波の伝搬特性について研究を行っています。
長波帯の雑音測定および高性能電波時計の開発

  • 電波時計に利用されている標準電波JJYは、屋内では電波が正しく受信できない場合があります。その原因として、電波の減衰だけでなく、電子機器からの雑音の影響が考えられます。そこで、屋内における電波の減衰と長波帯の雑音を測定することでJJYにどのような影響があるのかを確認するとともに、電波時計の新たな受信アルゴリズムを考案し、雑音に強い高性能な電波時計の開発を行っています。

精密周波数源

GNSSを用いた超高性能発振器の製作


    現在、一般的に用いることができる性能の良い発振器として、ルビジウム原子発振器があげられます。この発振器は、ほっておくと周波数がどんどんずれていくという欠点があります。私たちは、ルビジウム原子発振器の中長期の高安定・高精度化を目指して、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いた超高性能発振器の製作を行っています。

     

地震予知

地震の前兆現象の推定

  • 地震が発生する前後において、様々な観測にて、電離層の擾乱が確認されています。右の画像は、平常時と地震が起きる前における、日本上空のTEC(Total Electron Content : 全電子数)を表した画像です。
    私たちは、このような電離層の擾乱から、地震の前兆現象が推定できれば、地震予知につながるかもしれないと考えています。
    このTEC画像をAIを用いた画像分類による解析や、太陽フレアなどの他の電離層擾乱の影響を考慮しながら解析を行うことで、地震の前兆現象を推定し、地震予知の可能性を探っています。