名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
トップ 教育 研究 プロフィール アクセス リンク キャラクター ブログ
トップ  >  ブログ  >  Zotero で論文を管理する

 

ブログ「天白で有機化学やってます。」 ブログ「天白で有機化学やってます。」
< ディスカッション記録のデジタル化 | ブログトップ | 窒素ガスの精製塔(7年ぶり3度目) >

Zotero で論文を管理する2021/03/18(木)

今どき、学術論文は PDF で電子化して管理するのが常識でしょう。そもそもほとんどの学術論文は PDF で入手できるようになっています。図書館経由で紙のコピーを取り寄せた場合も、速攻でスキャンして PDF 化するのが普通です。(図書館で PDF が直接取り寄せられないのは、法律上・契約上の理由がいろいろあるようです。)当然のことながら、パソコンのハードディスクの中に PDF が散らかることになります。PDF 管理アプリの導入は必須です。

以前は Papers というアプリを使っていました。これはもともと Mac 専用のアプリです。2008年にバージョン1.7を使い始めて、2011年にバージョン2に移行しました。2016年にバージョン3に移行したのですが、使用感が大きく変わって、「これは馴染めないな」と感じたため、バージョン2に戻しました。しばらくこれで粘ったものの、Mac OS を 10.14 (Mojave) に上げた時に、ついに起動できなくなりました。アプリケーションアイコンに大きなバツ印がついております。

そこで、代替品を探し始めました。できれば、Mac 専用でなくて、Windows でも使えるものがいい。いろいろ情報収集した結果、Zotero を試してみることにしました。Zotero は、オープンソースの論文管理ソフトウェアです。Google 検索してみると「使ってみた」という声が結構見つかります。

画面はこんな様子です。左に並んでいるのは「コレクション」で、自分の関心のあるテーマごとに論文を分類できます。1つの論文を複数のコレクションに入れることもできます。

私が論文管理ソフトウェアに求めている最も重要な機能は、この「テーマごとに分類できる」ということと、あとは年号・雑誌名・著者名が一目でわかることです。どちらもできそうなので、Zotero に移行することにしました。

Papers からの移行はなかなか大変でした。論文の情報を移行させるだけであれば、Papers の方で EndNote 形式などにエキスポートして、Zotero で情報を読み込めば済みます。ところが、これだと肝心のコレクションの情報が移行できません。相当悩んだ結果、Papers のデータベースを直接読んで XML を作り、Zotero のインポート用のプラグインを拡張する、という荒技に出ました。Papers2Zotero として GitHub に置いてありますので、興味のある方はご覧ください。(サポートはできませんので、自己責任でお使いください)

Zotero の PDF ファイルは、storage というフォルダの中にあります。ディレクトリの名前がランダムなので、少し探しにくいのが難点です。これを解決するのが、ZotFile というプラグインです。あらかじめ決めておいたルールに従って、フォルダや PDF ファイルの名称を変更してくれます。ただし、Zotero にインポートしたら自動的に変わるわけではありません。変更したいファイルを選んで、明示的に作業する必要があります。

Papers と比べて不便に感じている点は、PDF がアプリ内で表示できないことと、「補足情報」(Supporting Information) の取り扱いがこなれてないことです。使い方をいろいろ研究していこうと思います。

< ディスカッション記録のデジタル化 | ブログトップ | 窒素ガスの精製塔(7年ぶり3度目) >